開発途上国が有するさまざまな課題を解決するひとつのアプローチとして、民間企業が持っている優れた技術や製品、アイデアを用いて課題解決を目指し、さらには将来的に開発途上国でビジネス展開を狙うという事業です。
ビジネス展開に必要な基礎情報の収集から、技術や製品を開発途上国へ普及させていく段階まで、JICAの「中小企業・SDGsビジネス支援事業」を用いることができます。現在は大企業でもスキームを使うことが可能です。
インテムコンサルティングは、長年の実績により築いた途上国政府とのネットワークや信頼関係、途上国事業のノウハウを活用し、海外展開をご検討される日本の中小企業を支援します。
ミャンマーの多くの病院では、大きな医療用酸素ボンベを病床に持ち運び、入院患者は枕もとに置かれた酸素ボンベから直接酸素を吸入するのが一般的です。
実際に病院に視察に行くと、部屋中、廊下にまで所狭しとベッドが並べられており、このような中に酸素ボンベの運搬や設置がされているので大変危険な状況です。
さらに、医療用酸素そのものの純度や圧力の基準がなく品質が不揃いであること、また医者や看護師の医療用酸素の取り扱い知識が十分でないこと、吸入口の加湿瓶やフィルターにコケやカビが生え、不衛生な状況で使用されていることなど、安全・衛生面で大きな課題があります。
本プロジェクトは、安全、高品質で、衛生的な医療用酸素を安定して病院に供給すること及び安全な取り扱いに関する指導を目的としています。
弊社は北島酸素株式会社の外部人材として参画し、調査やモニタリングの支援、ビジネス展開やODA案件化への助言などを行っています。
本業務は高知県室戸市の㈱泉井鐵工所様からのご依頼により、水産用スラリーアイス製造装置のインドネシア国での事業展開の可能性について同社の技術者とともに共同で調査・検討したものです。
スラリーアイスは別名ジャーベットアイスとも言い、魚体にやさしく、急冷効果が高いことが知られています。㈱泉井鐵工所の装置はこのスラリーアイスを鮮度保持に最適な-1℃で製造できる他社製品にない技術を持っています。
この案件化調査において、弊社はJICAから求められる相手国政府の課題分析と本製品を活用したODAスキームについて検討しました。
また、実際に小型のデモ機を持ち込んで、製氷過程のデモンストレーション・セミナーを開催し、さらにはスラリーアイスを使用した鮮魚の輸送試験、輸送後の官能試験まで実施しました。
本調査結果は技術的には満足できるもので関係者の評価は高かったのですが、インドネシアでは類似した中国製の製氷装置が極めて安価に販売されているという状況があり、普及実証事業への提案はペンディングとしました。
本業務ではサラヤ株式会社様、株式会社ジャパンファームプロダクツ様のご依頼により、高度かつ安全な衛生管理による食品加工ビジネスの事業展開の可能性を調査検討しました。
カンボジアでは、不衛生な食品摂取による健康被害や下痢性疾患への感染、農業従事者の低所得などといった「保健衛生」と「農業」分野の課題があります。
本調査では、衛生管理デモンストレーションと生鮮食品取扱い、さらに生産工程の模範を示し国際的にも通用する食品衛生基準作りに必要なノウハウを移転しました。
水産品では冷凍ティラピアフィレー、農産品では冷凍マンゴのテスト加工を行い、各生産工程と製品完成時の菌検査や試食評価会を実施し、さらに国内消費および輸出を想定した市場性を調査しました。
一次生産者や加工業者にとってカンボジア農水産物が高付加価値化することが経済的インセンティブとなり衛生基準順守に直結します。
本件で導入をはかった衛生管理システムが課題解決への有効な手段として検証され、安全基準を満たした製品販売がビジネスとして成立する可能性が示されました。