MEL(メル)ってご存知でしょうか? MELは日本発の水産エコラベルスキームである「マリン・エコラベル・ジャパン」の略称で、水産資源の持続的利用、環境や生態系の保全に配慮した管理を積極的に行っている漁業・養殖の生産者と、そのような生産者からの水産物を加工・流通している事業者を認証する水産エコラベルです。FAOの水産エコラベルのガイドラインに沿った仕組みとなっており、欧州などで先行している水産エコラベルMSC¹ やASC² と同様、広く国際社会に受け入れられる国際標準スキームとして、昨今では認証取得を希望される水産事業者様も増えていますので、もしかしたら「お魚売り場でロゴを見かけたことがある!」という方もいらっしゃるかもしれません。
水産庁では多くの水産関係業者の方たちにMEL認証を取得していただくための支援事業を進めており、弊社は2020年に支援事業³ の実施コンサルタントに選定されました。MEL認証取得に必要な書類作成や体制作りの支援、技術的な改善点の助言等を通じて、これまでに14事業者20認証(漁業認証1件、養殖認証9件、CoC認証10件)を認証取得のサポートをしました。(2021年7月末時点)
-コンサルティング実施例-
<株式会社タイチ様> 愛媛県宇和島市でブランド鯛「鯛一郎クン」を生産している養殖事業者様です。弊社は2020年7月から認証取得の準備をお手伝いさせて頂き、2020年12月末に審査申請書を提出しました。2021年2月に現地審査、その後審査機関によるレビューが実施され2021年6月に養殖認証を無事に取得されました。また2021年8月にシマアジの養殖認証も取得されました。 【MEL認証取得支援事業をご利用いただいた感想】 コロナ禍により世の中がSDGsへ一気に舵を切ったように感じて取得を決断しコンサルを受けました。丁寧な指導と無理のない日程のおかげでスムーズに取得までリードしていただき大変助かりました。 |
<辻水産株式会社様> 愛媛県宇和島市でクロマグロ、ブリ、マダイ、シマアジなどの養殖と自社加工場での製品化を行っている事業者様で、養殖と流通加工での認証をご希望でした。弊社は2020年9月から認証取得の準備をお手伝いさせていただき、2021年2月に申請書類の提出、翌3月に現地審査が実施されました。2021年4月に養殖ブリ、マダイ、シマアジの流通加工段階認証(CoC認証)を、7月にブリの養殖認証を取得できたとの連絡をいただきました。 【MEL認証取得支援事業をご利用いただいた感想】 マニュアルの整備・必要書類の完備にご助言を頂き、大変心強く準備を進める事が出来ました。また模擬審査を行って頂いた事で心配なく本審査を迎える事が出来ました。 |
SDGsが一般に認知されつつある昨今、水産資源の持続的利用に対する社会的な責任はますます高まっており、今後も水産エコラベルに注目が集まる機会が多くなることが予想されます。今年度も多数の事業者様からコンサルティングの依頼を受けており、認証取得に向けた準備を事業者様と着々と進めております。2021年9月頃から第2次募集の受付が開始される予定になっておりますので、認証取得にご関心のある事業者様はぜひご応募ください。
応募要領:MEL協議会HP(https://www.melj.jp/995)
[1]MSC:海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)
[2] ASC:水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)
[3]令和元年度持続可能な水産業の認証活用加速化緊急対策事業(実施期間:2020年4月~2021年3月)、令和2年度水産エコラベルの認証取得加速化緊急対策事業(実施期間:2021年4月~2022年3月)